ソレント(Sorrento)という地名を、どれだけの人が知っているだろうか。ナポリから船で30分ほど南に下った、崖の上の小さな町だ。カプリ島を望むアマルフィ海岸の入口にあたり、レモンとオリーブとトマトが、地中海の太陽をいっぱいに浴びて育つ土地である。

北白川のイタリアン Bello Vero(ベッロベーロ)の「ドライトマトのソレント風」は、その南イタリアの空気をそのまま皿にのせたような一品だ。

ドライトマトという、凝縮された夏

ドライトマト(Pomodori secchi)は、南イタリアの台所に昔からある保存食だ。夏のあいだに採れすぎたトマトを半分に切り、塩を振って天日に干す。水分が抜けて、甘みと旨みだけが残る。真冬の食卓にも、カラカラに乾いた夏の太陽の味を持ち込める——そんな、ささやかな知恵の結晶である。

Bello Veroではこのドライトマトをオイルで戻し、フレッシュなチェリートマトと合わせてソースを仕立てる。生トマトの軽やかな酸味と、ドライトマトの深い甘みが重なって、一皿のなかに夏の時間が二重に流れるような味になる。

モッツァレラとバジル、地中海の三重奏

仕上げに加えるのは、モッツァレラとバジル。熱いパスタに触れてとろりと溶けかけたチーズが麺にまとわりつき、バジルの青い香りがふわっと立ち上がる。赤・白・緑——イタリア国旗の三色が、そのまま一皿に盛られる格好だ。

ソレント風(alla Sorrentina)というのは、もともと「モッツァレラとバジルとトマトを合わせた、カンパーニア州の家庭料理」を指す呼び名。ナポリのピッツァ・マルゲリータと同じ発想が、パスタの上でも繰り返されていると考えればいい。

ドライトマトのソレント風 — Spaghettini / Tagliolini
ランチからディナーまで、通しで同じメニューをご提供しています。

麺は、スパゲッティーニかタリオリーニか

麺はSpaghettini(細めのロングパスタ)か、Tagliolini(平打ちの細麺)から選べる。

スパゲッティーニを選べば、細い麺に軽やかなソースがするりと絡む、ふだん着の一皿に。タリオリーニを選べば、平たい麺の面積にモッツァレラとドライトマトがしっかり寄り添って、少しごちそう感のある仕上がりになる。迷ったときは、その日の気分で決めてほしい。

北白川という、京都の端っこで

北白川エリアは、京都の中でも観光地とローカルエリアが重なる独特の場所だ。銀閣寺から白川通りを北へ10〜15分ほど歩くと、このあたりに出る。哲学の道の北端からも徒歩10分圏内。京都大学や京都芸術大学のすぐ近くで、昔から学生とご近所さんが混じり合う街でもある。

そんな場所で、南イタリア・ソレントの海辺の料理が食べられる。観光地のど真ん中ではない、少し外れた立地だからこそ、腰を落ち着けてゆっくりパスタと向き合える時間が流れている。

パスタの種類

Bello Veroで提供しているパスタは、ソレント風を含め全5種類。

合わせるワイン

ドライトマトのソレント風には、同じ南イタリアの白が素直に合う。カンパーニアやシチリアの白ワインを一本開けて、ゆっくり一皿ずつ食べ進めるのがおすすめだ。ワインはボトルでのご提供のみ、グラスシャンパーニュだけは一杯から楽しめる。

昼下がりから夕方にかけて、窓の外の光が少しずつ傾いていく時間に、白ワインとソレント風のパスタ。京都にいながら、ほんの少しだけ地中海の気分に浸れる一皿だ。

銀閣寺・哲学の道からのアクセス

銀閣寺を観光したあと、白川通りを北へそのまま上がれば徒歩10〜15分ほどで到着する。哲学の道の北端からも徒歩10分圏内。市バス「北白川」停留所からは徒歩約2分、叡山電鉄「茶山・京都芸術大学」駅からは徒歩10分ほどの距離だ。

📍 京都市左京区北白川久保田町64番17
🕐 火〜日 13:00〜22:00(L.O. 21:30)/月曜定休
市バス「北白川」停留所から徒歩2分 / 銀閣寺から徒歩約15分
📷 ご予約は Instagram DM @bellovero_kyoto