フライドポテトは、世界中どこにでもある。ファストフードの紙袋の中にも、居酒屋のおしぼりの隣にも、ビストロの皿の端にも必ずいる。あまりに身近すぎて、わざわざ注文する料理ではない——そう思っている人も多いと思う。

北白川のイタリアン Bello Vero(ベッロベーロ)の「フライドポテト アンチョビガーリックバター」は、そのフライドポテトを、最初からアンティパスト(前菜)として組み立て直した一皿だ。ワイン一本を開けて、最初に頼みたくなる、そういう皿である。

じゃがいもは、切って、下茹でして、揚げる

じゃがいもは皮付きのまま、ひと口より少し大きめにカットする。塩を効かせたお湯でいちど下茹でしてから、一度しっかり冷ます。この「冷ます」の工程を省くと、表面のでんぷん質が中途半端に残って、揚げたときに外のカリッとした層にならない。中がほくっと、外だけ薄くパリッと——その境目は、下茹でのあとに水気をきっちり飛ばすかどうかで決まる。

揚げ油の温度は、最初は中温から入れて、最後に高温で追う二度揚げ。イタリアのバールで出てくる「パターテ・フリッテ(patate fritte)」の、あの角の立った揚げ姿を目指している。

アンチョビ・にんにく・ローズマリー、あとから絡める

揚がったじゃがいもには、別で仕込んだアンチョビガーリックバターを絡める。バターをごく弱火で溶かしながら、刻んだにんにくをじっくり香り出し、そこに刻んだアンチョビを落として、塩気と旨みをバターの中に溶かしていく。仕上げにフレッシュなローズマリーと、粗挽きの黒胡椒。

アンチョビは前に出すぎず、でも確実にひと口めの奥で効いている——そのバランスが要だ。塩は追わない。アンチョビのしょっぱさと、揚げたじゃがいもの甘みが、勝手にちょうどいい場所で出会ってくれる。ローズマリーの香りが、鼻の奥でひっそり立ち上がる瞬間が気持ちいい。

フライドポテト アンチョビガーリックバター
ランチからディナーまで、通しで同じメニューをご提供しています。

京都でフリット、と検索すると

「京都 フリット」で検索すると、大丸や伊勢丹にある揚げたてポテトの専門店がまっさきに出てくる。テイクアウトのカップで片手に持って食べ歩く、あの軽快なフリットだ。それはそれで楽しい。

ただ、テーブルに座って、ワインのグラスの横に置いて、ローズマリーとアンチョビの香りを立ち上らせながら食べるフリットも、京都には少ない。Bello Vero のフライドポテトは、後者の楽しみ方をしてほしい一皿だ。ひとくち、ふたくちでは終わらせず、会話の合間にゆっくり減らしていく前菜のポジションに置いてある。

合わせるワインと、昼飲みの楽しみ

アンチョビの塩気とローズマリーの青い香りには、軽めの白ワインがよく合う。シチリアのグリッロやカタラット、北イタリアのソアヴェなど、ミネラル感のある辛口がまず一本。シャンパーニュを一杯からいければ、泡の刺激と揚げたての油がお互いを打ち消し合って、いくらでも食べ続けられてしまう。

ワインはボトルでのご提供のみ、グラスシャンパーニュだけは一杯から楽しめる。昼下がり、銀閣寺や哲学の道を歩き終えて、まずはグラスシャンパーニュとフライドポテト——という昼飲みの入り口としても、ちょうどいい一皿だと思う。

北白川という、京都の端っこで——銀閣寺から徒歩15分の穴場

北白川エリアは、京都の中でも観光地とローカルエリアが重なる独特の場所だ。銀閣寺から白川通りを北へ10〜15分ほど歩くと、このあたりに出る。哲学の道の北端からも徒歩10分圏内。京都大学や京都芸術大学のすぐ近くで、昔から学生とご近所さんが混じり合う街でもある。

銀閣寺周辺の飲食店は17〜18時に閉まってしまう店が多く、観光のあと夜ごはんを食べる場所を探して困ることもある。Bello Vero は 13:00 から 22:00 まで通し営業しているので、銀閣寺・哲学の道をゆっくり歩いたあとの遅めの夕食にも、昼下がりの昼飲みにも使える、北白川の穴場として気軽に立ち寄ってほしい。

前菜・アンティパストの品揃え

Bello Veroの前菜はひと通り揃えてある。フライドポテト以外にも、気分で選んでほしい。

銀閣寺・哲学の道からのアクセス

銀閣寺を観光したあと、白川通りを北へそのまま上がれば徒歩10〜15分ほどで到着する。哲学の道の北端からも徒歩10分圏内。市バス「北白川」停留所からは徒歩約2分、叡山電鉄「茶山・京都芸術大学」駅からは徒歩10分ほどの距離だ。

📍 京都市左京区北白川久保田町64番17
🕐 火〜日 13:00〜22:00(L.O. 21:30)/月曜定休
🚶 銀閣寺から徒歩約15分 / 哲学の道(北端)から約12分 / 市バス「北白川」から徒歩2分
📷 ご予約は Instagram DM @bellovero_kyoto